030 食欲増進 食べないぜいたく?
出典:ホームドクター6月号 昭和50年6月1日
 開口一番、「ぼくはまったく食わんのですよ」「いつもはこんなに気取ったものなんか食ってないですからね」と、森氏に念を押されて撮影したのがこの料理。
 ひどい偏食のそのまた上にひどい凝り性がつく森氏としては、この食卓も、本当はいま凝っている板わかめと岩のりと焼きこんぶだけにしてほしかったらしく、はなはだ不本意そうに最初から最後まで、娘の富子さんに文句のつけっぱなしだった。
 氏の朝食、昼食もこれまた数年間凝っているお手製の、牛乳と卵と砂糖のミルクセーキ一本やり。だから夕食も、好きな酒と海草類さえあればいうことなし、という次第。
 今晩も、チョッピリ料理にはしをつけ、海草とビールとウイスキーの水割りで心ゆくまでのどを潤し、あとはバッタリ、一日が終わる。
献立=てんぷら(かぼちゃ、なす)、もりつけ(岩のり、板わかめ、焼きこんぶ、ポテトチップ、ぎんなん)酢ぶた風あんかけ、菜の花のからし和え、かずのこの二杯酢かけ、おにぎり
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