愛し合う二人は自然な形で思いやりを持ち合うことができますが、思いやりは決して至れり尽せりの親切ではありません。彼を分かってあげたいと思い、私を理解して欲しいと思うこと。だから相手の思いやりにべったり甘えてしまっていてはキケンです。
共働き夫婦──共働きはそれ程めずらしいことではなくなりました。しかし、共働きを試みて仕事にも家庭にも疲れてしまうケースも意外に多いのではないでしょうか？ 私こそうまくこなすわ、と意気込みも大きく共働き生活に踏み込んではみるのですが……。共働きで一番大事にしなければならないのは、安定した関係に落着いてしまわないで、小さな心のやりとりを忘れないこと。妻にばかり負担がかかるからと、思いやりの一方的強制は危険です。思いやりを示すことで彼からの思いやりを得るべきです。
若者の愛にくわしい森敦先生に、現代の若者の愛の実体を伺ってみました。
よく“悪妻は家だされず”というように、ダラシがないとか我がままだということではあまり離婚はしていないものです。
奥さんの方が浮気をしていても上手に隠していられる女性なら、かえって始終ニコニコしていられるし、御主人のサービスも忘れませんよ。
どんな男と女でも何十年も愛し続けることは無理ですからね。女性も何か楽しいことを見つけておくといいでしょう。浮気を勧めるわけにはいかないでしょう……がね。
愛する男に向かってただひたすら愛しています。尽くします。というのでは新鮮さも無くなってきます。自分の心がイキイキしていなければ思いやりも、ただ負ぶさるだけでしょ。
男と女がうまくいくかいかないかは、全く分らないことで、これこれこうしたら、きっとうまくいくという公式はありません。とくにうまくいかない理由、原因は多種多様です。
思いやりも、その人間同士で千差万別で一概にいってしまうわけにはいきません。仮に思いやりを求愛と比べてみたら、求愛はエゴですが、思いやりはもっと広範囲なものでしょうかね。思いやりは異性や人間だけでなく動物にだって投げかけることができるんですから……。
この間のことですが、ある女性が電話を掛けようとしたら10円玉がない。困っていると若い男が10円をさし出してくれた。これを男の思いやり、愛と錯覚してか、その女性はその男に体をまかせたんですね。
人の親切をすぐに愛と錯覚するのは危険ですよ。心のふれ合いがなくなってしまった現代だから余計そうなるのでしょうかね。
まあ、他人への思いやりの行為が自分をだましてしまう例もありますね。
OLなどが特定の男性杜員の面倒をみてあげているうちに、“私は彼を愛しているんだ”と誤解してしまうケースがあるでしょう。
セックスはプレイと割切っているヤングが、そんな小さな心のふれ合いにコロッとだまされてしまう。もう少し智恵を働かせてくれたらいいんですけれどね。
最近は見合いで一生の伴侶をきめる人が増えていますが、恋愛感情を結婚に結びつけたり長続きさせるのは、愛だけでなく冷静な判断が必要だと知っている人で、こういう人は数少ないですね。
