059 フランス映画 アンケート
出典:週刊読売 三月六日号 昭和51年3月6日
アンケート
 @フランス映画で、一番印象に残っている作品をひとつあげてください。
 Aフランス映画の好きな俳優をひとり。
 B同じく女優をひとり
 
やっぱり「望郷」
 @私が東京に出てきて一番先に見た映画は「巴里の屋根の下」で、これは印象的でしたね。アルベール・ブレジャンが歌って、伴奏が全部アコーディオンでねえ。当時は、前座で淡谷のり子が「巴里の屋根の下」を歌ったんですよ(と、電話口でこの歌を歌い出しているうちに…)ああ、そうだ。
 やっぱり「望郷」にしましょう。一番いいと思いました。アルジェのこみごみした町に、フランスの落ちぶれ者があふれていて、年とったおばあさんが肉の塊みたいになっている──このシーン、思い出しますね。
 A若いころのジャン・ギャバン。昔のボクらとしては、映画俳優は天から降ってきたような美男美女という印象があったが、ギャバンは地下水道の工事人夫のようで、しかも男性的アピールもある。好きですね、長く続いてもいるし……。
 Bシモーヌ・シモン。美しいというのは白痴的なことだと思うのです。
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