061 「この夏、オレは…!?」 苦悩と混迷にみちた’77
出典:Oh! 8月号 昭和52年8月1日
夏枯れで会社の倒産が心配
         作家 森  敦
 「私は個人的には何にも恐ろしいことはありません。自分でもこれほどの楽天家はいないと思っています。独身で恋人もいませんから、いつでも平気で死ねますからね。トルストイだって、生活に困ったわけでもないのに、寒村の小さな駅で袋を一つ持って死んでいました。ただ、私自身を離れて心配なことは、日本に安定政権がなくなると、大事なことがなかなか決められないということ。もうひとつは、私が勤めている社員二十人の近代印刷という会社(大日本、凸版と並んで三大印刷会社と思ってるんだ)がこの夏を乗り切れるかが心配です。とくに八月は夏枯れで危いんです」
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