045 森 敦著
  『わが青春わが放浪』
出典:日本読書新聞 昭和57年7月12日
『月山』以後、寡作な著者であるが、本書は森敦のはじめてのエッセイ集である。著者の博覧強記ぶりはつとに知られているだけに、けげんに思われる読者も少なくないだろう。現在「文藝」誌上に「月山抄」という紀行風エッセイを連載中であるが、本書もこれまでの著者のハイマートロス的なたぐいまれな放浪と、知的耽溺の足跡を網羅していることが予測されて、楽しみである。森ファンにはまちどおしかった一冊だ。(七月中旬刊、予価・一五〇〇円・福武書店=千代田区九段南四の八の八)
(福武書店B6判、四〇〇ページ一、五〇〇円)
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